マーケティングテクノロジーを考えるブログ

アプリ開発・アドネットワーク運営を経てWebマーケティング関連サービスの事業化を推進しています。

「方法 × ニーズ」のマトリックスから考える新規サービスのアイデア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今、ベーシックグループの社内ではビジネスプランコンテスト「ビジメッセ」の期間中でして、先週につづきアイデア出しに役立ちそうな内容を書いてみようと思います。実はちょうどこの記事を読んで自分も似たようなマトリックスでアイデアを整理しているなと思い出しまして、今回はそれをテーマにしてみようと思います。

私の場合M&Aや投資判断よりも、実際に事業やサービスとして成立するか?にフォーカスしているので少し使い方が違うかもしれません。また、あらためて今まで立ち上げたサービスを振り返ると、止めちゃったりあまりうまくいってないものも多々あり、そんなに万能ではないなとあらためて気付かされましたが、アイデアを軽く整理したりポートフォリオ的に考える際に使えるかなと思います。

そのマトリックスというのがこれです。

f:id:basicbloggers:20140724011309p:plain基本的には以下の2つの軸でチェックします。

・今まで慣れた・ありふれたやり方なのか、新しいやり方なのか。これは絶対的に新しいものというより対象とする領域においてまだない、とかって具合に考えます。「スマホ時代の2ちゃんねるってないよね」とかそんな感じです。

・ニーズが顕在化しているか、潜在(もしくはまだ気付いていない)的か。すでに世の中で一般的に行われていることなのか、解決方法があるニーズなのか?


そして、それぞれの象限の意味付けは以下のように考えます。


①既知のやり方 × 顕在ニーズ(よく行われていることを慣れ親しんだ方法で行う)
すでに世の中で当たり前のように行われていることをよく知られたやり方で行うものです。
当然、すでに参入しているプレイヤーも多く、いわゆるレッドオーシャンとか言われることもあります。

例としては、飲食店とか、今から普通の不動産情報サイトをやるんだ!とかも該当すると思います。競合は多いですが、ビジネスとして成立しやすいので、このマトリックス外の方法で整理しなおすなどしてチャンスが見つけられれば、新しいイノベーションにもなり得ます。

②未知のやり方 × 顕在ニーズ(よく行われていることを今ない方法で行う)
一番考えやすいと私が思っている領域です。すでに世の中で行われていることをちょっと新しいやり方で置き換えるものです。たとえば、今までPC上では当たり前に使われていたサービスをスマホ化するとかです。

考えてみればこの20年くらいで誕生してきたウェブ系のビジネスの多くはここに該当すると考えています。最近でいうとニュースアプリ群やLINE、メルカリなどでしょうか。時間軸は相対的にとらえているのでどの時点で考えるかにも左右されますが、新しいテクノロジーが出て来たときなどにチェックしたい領域ですね。

③既知のやり方 × 潜在ニーズ(ニーズがあるのかわからないことを、よくある方法で行う)
ぱっと見よさそうだけど芯食っていない、みたいなサービスに多い領域です。他社サービスをリサーチしまくった後にこねくり回したりしちゃったときにこの領域に辿り着いてしまったりします。「スマホで○○」みたいに一言で書くとよさげなんだけど、使ってみるとすごい面倒だったり誰もそんなことしないよ!という感じのサービスがあったりしますが、それです。なぜそのニーズを満たす方法が他にないのか、競合がいるのか/いないのか、なども合わせて検討することで客観的にチェックできます。

④未知のやり方 × 潜在ニーズ(なんだかわからないこと)
ここは一番難しい。ニーズが表面化していないことを今までにない方法で実現する、というものです。
普通に考えただけではなかなか浮かんでこないと思います。ここ発で大成するサービスは少ないので例示が難しいですが、強いて言えば最初に登場したときのTwitterとかニコニコ動画が近いかなと思います。誰もやってないだけあって、最初は謎な感じですが、世の流れにハマるとインフラレベルにヒットしたりします。

上記どのタイプを重視するかは、その会社の状況やミッションによっても異なります。また、例えば「スマホ」を既知にするか未知にするか、など解釈の違いも出てきますので、絶対的な指標としては使いづらいかもしれません。ちなみに弊社フルセイルだと①と②をメインにしながら、チャレンジとしてリスクを限定した上で④、とかそんなイメージですね。①と②はこの両方にまたがるものもあったりするので適宜使い分けるのが良いと思います。ぜひ参考にしてみてください!