マーケティングテクノロジーを考えるブログ

アプリ開発・アドネットワーク運営を経てWebマーケティング関連サービスの事業化を推進しています。

「次世代のモバイルアドテク・ソリューション」から考える5つのサービス

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ご無沙汰しております!
すでにお知らせさせていただきましたが、本年の1月1日をもって株式会社フルセイルは親会社の株式会社ベーシックと吸収合併、そして2月1日をもって、スマートフォン向けアフィリエイト広告事業「GAMEFEAT(ゲームフィート)」を株式会社レントラックス様に事業譲渡いたしました。
 
ブログタイトルも心機一転しまして、再スタートです。今後ともよろしくお願いいたします。
 
さて、先日BRIDGEでこちらの記事を読んでいたところふと気になる箇所が出てきました。

thebridge.jp

 記事タイトルだけ見ると「これからのゲームはHTML5でしょ」という感じなのかな?と想像しましたが、実際はWebとネイティブそれぞれのメリットを生かしてハイブリッド的に使いましょうという内容でした。
HTML5版とネイティヴ版の双方を組み合わせることで、リーチとリテンションが相互補完できるのに加え、ここから HTML5 は新世代のモバイルアドテク・ソリューションを生み出せないだろうか?

 これを読んだとき、この方とは気が合いそうだと思いました。なぜならこれはゲームだけに限らず、様々なネットサービスにおいて今後集客のベースになる考え方だと以前から思っていたからです。きっかけは去年読んだ、スマホとアプリの利用の比較において利用時間は圧倒的にアプリだけど接触数はWebが多い、という話でした。

 
ゲームの場合リッチな表現が必要になるのでHTML5ですが、要はWebとアプリの組み合わせ利用でどうやってユーザー拡大していくか?ということです。人気のあるソーシャル系サービスではWebとアプリ両方で使っているじゃん、と思いそうですが、これらはすでに多数のユーザーにリーチしていてどうやって接触面を増やすかというフェーズですので今回の趣旨とはちょっと異なります。アテンション獲得にまだ大きな比重や課題があるようなサービスにおける話です。
 
このように考えたいくつかの背景があります。
 
・検索、ソーシャル、広告などのチャネルからアプリストアに送客できてもアクセス解析的な情報が取りづらく、チャネルごとの効果測定や流入の改善をしたりといったことがやりづらい
 
・Webに比べてアプリは、サイト内の行動を目標設定したり、効果検証や改善がやりづらい。特にiOSの場合、アップデートに時間がかかる。
 
・アプリのプッシュ通知は強力。ダウンロードというハードルを越え、プッシュ通知を許可してもらえば最も強力なリテンション施策が可能になる
 
・いつまでたってもアプリストアの検索がしょぼい(特にApp Store)
 
要は、アプリとWebの断絶、仕様の違いにより、マーケティング上の係数管理と一貫した施策がやりづらいという問題 です。
 
このあたりをふまえると、サービス初期の接触において接触回数をあげたり初期のエンゲージメント構築においてはPDCAしやすいWeb、晴れてアプリをダウンロードしてもらえたらプッシュ通知やディープリンクによるリテンション向上(そして何よりもホーム画面にアプリアイコンがある!)というのが効率的な流れなのではないかと考えていました。
 
図にするとこんな感じでしょうか。

f:id:advens:20160317003237p:plain

 例えば、アプリインストールの直前にWebを配置することで、アプリをインストールしていないユーザーにもWebプッシュで低コストのアプローチができる、とかそんな風に考えます。すでに世にあるいくつかのサービスはこれに近い流れになっていますよね。グルメとかレシピ系のサービスなど。
 
「次世代のモバイルアドテク・ソリューション」はこんなサイクルと特性を前提として生まれてくるのかもしれません。というかもう出てきています。Webを活用しながらユーザーと浅めの関係を作り、そこから一定の割合でダウンロードにつなげ利用頻度を上げていく、というフローをサポートできるソリューション。
 
そんなことをふまえつつ、このサイクルの中で活かせそうな、実際にあったらいいなというサービスをいくつか考えてみました。(本当にできるかどうかは不明です。すいません。)
 
①流入経路に応じてコンテンツを一つのアプリで切り替えられるアプリベースのプラットフォーム。特にアプリを自前で開発するのが難しいECサイトなどがターゲット。ホーム画面にアイコン増えるのが嫌な人は多いですし。Appleの審査が通るかは謎ですが。
 
②接触初期の流入経路やユーザー行動をもとにしたWebプッシュ通知を配信できるサービス。Webサイト再来訪だけでなくアプリインストールなど柔軟に訴求できる(iOSは非対応)
 
③アプリのデータを利用して、集客用のWebサイトの各種データを自動で作ってくれるサービス。
 
④コンテンツマーケティング的な手法で集客し、アプリダウンロードまでつなげられるマーケティングオートメーション(MA)ツール
 
⑤ディープリンクを活用した、インストール済みアプリ内のトランザクションに対するアフィリエイト広告(もうあったような気もする・・)
 
これらはWebと親和性の高いメディア系サービスよりも、特定用途向けのサービスの方がが向いていると思います。
 
なんだかんだでまだアプリとWebが断絶されている感がありますが、どちらかだけではなくそれぞれが役割があって全体でUXを形成するという流れが強くなってくるのかもしれないですね。